はー、いい天気じゃのう。まさにハイキング日和! 空気もすがすがしくて、最高の気分じゃ!
…おっさん…呪いは解けたっていうのに、何だってすがすがしくない姿のままなんだ?
ばかもの!公務を休んでのお忍びハイキングなのに、素のままではバレバレじゃろうて!
と言う訳で、またしても変化の杖の力を借りたというわけじゃ。
…いや、十分バレバレだと思うがι(…っていうか案外緑の姿が気に入ってんじゃねぇのか?)
この『願いの丘』って、キラに頼まれて登った時は余裕がなくてそれどころじゃなかったんだけど、こうやってハイキングするにはもってこいの場所よね。 見晴らしもいいし♪
ヘチマウリとかいうヤツに会った時でがすね。
あの時はレベルが低くて、上まで登るのが結構辛かったでげす。
今は地図もありやすし、楽チンでがすな。ねっ、兄貴!
僕、道中は大丈夫だったけど、月影の窓が現れるのを待っている間が辛かったな。
なんだ?おまえって見かけによらず結構せっかちなんだな。
ん?いや、待つのは良いんだけど、眠くて眠くて。 旅に出るまでは、いつも9時に寝てたから。
…。(9時に寝るって…ι ガキかおまえはι)
しかし、ずっと歩きっぱなしでそろそろ腹が減ってきたでげすな。
そうね、そろそろお昼にする?
ねえねえ!見て!! じゃじゃーん!お弁当作ってきたの!!
…兄貴、ゼシカの姉ちゃんはもしやあの錬金釜を使って作ったんでがしょうかι(※第一回参照)
…だとしたら僕ら全員食中毒だι
ミーティアもゼシカさんと一緒に作ったんですの。お口に合えば良いのですが…。
へー!美女2人の手作りか!!そりゃ嬉しいね!
馬鹿ね、ミーティア姫の手作りはハチコウに先に食べてもらうに決まってるでしょ!
あんたのはこっち!!ヤンガスもよ!
…姉ちゃん、この弁当、どこでどうやって作ったんでげすか?
え?どこでどうやってって…トロデーン城の厨房を借りて、…さっきミーティア姫が一緒に作ったって言ったでしょ。何で?
何となく聞いてみただけでがすよ。
(馬姫…じゃなくてミーティア姫様と一緒ってんなら錬金釜は使ってねえはずでげす。)
ハイv ハチコウ、食べてくださいなv
ありがとうございます!いただきます!!
(ミーティア姫様の手作りなら心配する必要はなさそうだな。)
…お味の方はどうですか?
すっごくおいしいです!!
まあvv 本当ですの?!ハチコウにそう言ってもらえてミーティア感激です!!
…それから、ハチコウ…実はあなたにお願いがあるんですが…。(もじもじ)
他ならぬ姫の頼みを断るわけがないじゃないですか。何なりと仰ってください。
じ、実は…トロデーン城の中庭で仲睦まじいとある男女がしていたのを見たのですが、女性が男性のお口に食べ物を運んでお弁当を食べさせてあげておりまして…是非ミーティアもその真似事をしてみたくて…。
あはっv それって女の人が男の人の口に食べ物運んで「あーん」って食べさせてあげるのよね。
ミーティア姫様ってば、結構ダイタンなんだからv 昼間っから妬けるわね♪
ええっ?!僕なんかが姫様に恐れ多くもそんな事して頂いて宜しいんですか!?
感激だな〜。それではお言葉に甘えて、あーん♪(←ものすごく嬉しそう)
…ゼシカ、オレにもあーんvv
はい、あーん。(フライドポテトをククールの鼻の穴につっこむ)
ふがっ!!は、はにひやはふっ!!(な、何しやがるっ!!)
あーら、ごめんなさい。手元が狂ったわ。
ねねね、みんなで運動しない?
チーム対抗でバトミントンとかどう?
ラケットとシャトルも持ってきたの♪
流石ゼシカ!用意がいいな〜。
じゃあ、負けたチームが晩飯の用意するってのはどうでがすか?
うん、面白そうだね!チームはどうやって分けようか?
ジャンケンで同じ人同士組むっていうのでいいんじゃない?
よし、じゃあそうしよう。 いくよ、ジャンケンポン!!
えーと、僕はグーだから…
えー!オレ、ハチコウとかよι どうせならレディと組みたかったぜ。
私はヤンガスとね。頑張って優勝よ!!
ゆ、優勝でがすかι(…まさか負けたらメラゾーマでがすかι)
ワシはミーティアとじゃな♪
ジャンケンでしても、やはりワシら親子の絆は引き裂くことは出来なかったのじゃ!
ミーティアは、テニスはたまにするのですが、バトミントンはあまりしたことがないのです。
でもお父様にご迷惑がかからぬよう頑張ります!
…ククール、あんた反則よ!皮肉な笑みでテンションさげて、相手のやる気をなくすなんて。
何だよ、それを言うならゼシカだってピンクタイフーンでコート外に出そうになったシャトルを軌道修正してたじゃねぇか。
ハチコウもトーポの息で助けてもらってたからいいでしょ。
ええ〜?あれはただトーポがくしゃみしただけだよι
ただのくしゃみで何でコートが凍りつくわけ?滑ってシャトルを打ち損ねたわよ。
じゃっじゃあ、ヤンガスのステテコダンスはどうなるのさ。 僕ショックのあまり腰が抜けたんだけど?
みっ…見てたでげすか!? あれは動き回ったらズボンがずり落ちて愛用のステテコパンツが出ちまっただけでがすっ!!
兄貴にあんな姿みられちゃあ、アッシは恥ずかしくて兄貴にゃ顔見せできねえっ!!(ヤンちゃんハズカシイッ!)
…おぬしらι ワシとミーティアが頑張って真っ向勝負をしているというのに、卑怯じゃぞ!!
スミマセン、お父様。ミーティアではやはり力不足でした。(しゅん)
おおっ、いいのじゃミーティア。勝敗など関係ない!ワシはとても楽しかったぞ!!
そうよね。楽しかったから、ま、いっか。
じゃ、楽しく遊んだ後は、ディナーの準備よろしくな♪2グループの敗者さんv
そうだったわ、負けたチームが晩御飯作るんだったっけ。
あ〜、やっぱり勝ちたかったかも。
…なんかイカサマで負けた気分じゃのうι というか、王のワシと姫まで作らないといけないのか?!
王様、僕達勝ちましたけど代わりますよ。折角の骨休めですし、王様は姫様とどうかゆっくりしていらしてください。
そういうわけだ。ククール、君も手伝って!
お人よしのハチコウはともかく、何でオレまで手伝わなきゃならねーんだよ。 勝ったっていうのに、納得いかねーぞ。
王様と姫様にご飯の用意をさせるわけにはいかないだろう。
それに君、修道院に居たなら、交代で料理当番とかあって作ってたんじゃないの?
錬金釜なしで料理が作れるように、僕と君でゼシカを特訓ってのはどう?(笑)
なるほど。よしっゼシカ!オレが手取り足取り教えてやるよ!
けっ・こ・う・で・す!!
えーっと、じゃあ夕飯のメニューだけど、カレーを作りたいと思います!
というわけで、まずは下ごしらえ。
僕は肉を担当するから、ゼシカとククールは野菜のほうよろしくね。ヤンガスは薪を集めてきてよ。
オッケー!野菜ね。 皮を剥いて切って洗えばいいのよね。
ってゼシカ!何で洗剤なんか持ってるんだよ!! まさかそれで野菜を洗うつもりか?!
そうだけど、何か文句ある?
はーι これだから、箱入りのお嬢様はι 専属の料理人がいるから料理なんて作った事ないんだろι
洗剤使うのは食器だけ!食べモン洗うのには使わねーの。
んじゃ、オレ達は井戸ンところで作業してくるわ。
いってらっしゃーい。ゼシカ頑張れっ!
変な応援しないでよ。 頑張らなくても野菜の下準備くらいできるわ。
…とか言ってるそばから石鹸握りしめてんじゃねーよι
兄貴〜!薪集めてきやした!! これだけあれば良いでがすか?
うん、十分!ありがとうヤンガス。 そういえば、ククールとゼシカ、おそいね。
あ!戻って来た。噂をすれば何とやら。(笑)
野菜担当のお2人さん、お帰り〜。
おそかったでがすな。 兄貴を待たしちゃいかんでげす!
ちょっとレディに教育してたんだ。
教育って…。何?ゼシカなんかやったの?(苦笑)
聞いてくれよ。ゼシカ野菜洗うのに、どこぞの板切れ拾ってきて洗濯板使うみたいにそこに擦りつけて洗い出すんだぜι
ああしたほうが綺麗になるかと思ったのよ! そんな事いちいち報告しないでよっ!!
はははι ククールお疲れ様。 でもとりあえず下準備はしてくれたみたいだね。ありがとう。
…ってなんか大小バラバラだけど、まさかスキル使って切ったりしてないよねι
…。
さすがリーダーは鋭いね。ゼシカちゃんってば、アサシンアタックとか使っちゃうんですよー。
ポイズンソードはやめろって言ったから毒効果は大丈夫だと思うが。
何よ、あんただって対抗してはやぶさ斬りしてたじゃないの。
はやぶさ斬りは効率良いからOKなんだよ。
よく見ると、焦げた野菜もありやすが、まさか姉ちゃんメラでも使ったんでげすか?
全部私のせいにしないでくれる?それはコイツが調子に乗ってかえん斬りしたのよ。
…。(この2人に任せたの間違いだったかもι)
ま、これで材料もそろったことだし、早速調理しようぜ。 あまり遅いとトロデのおっさんたちが餓死しちまう。
そうだね。じゃあまず最初に肉と野菜を炒めるから。
ゼシカ、メラお願い。
オッケー!メラッ!!
わわっ!!馬鹿っ!!!火つけるのは薪だろ?!
鍋ン中にメラしてどうすんだよ!!(近くにあった布を被せて消火)
ククール…それアッシのステテコパンツでげすι
げげっ!!きったねーなっ!!!(大慌てで投げ捨てる)
ばっきゃろう!何でンなモンこんなところに置いておくんだよ!!!(怒)
失礼なっ!!洗濯したから汚くないでげすよ!!
ステテコダンスを踊る為に用意してたんでがす!(…宴会芸か?)
っつーか、ヒトのステテコパンツ焦がしておいて、その言い草はないんじゃねぇでげすかっ!!
これじゃあもうはけないでがす!弁償しやがれっっ!!!
ヤンガス、ククールも悪気があってやったわけじゃないんだから、許してあげてよ。
ほら、僕の代えのバンダナあげるから。
兄貴…!なんてお優しい。(感涙)
…でも兄貴のバンダナじゃ、布地が足りんでげす。これじゃあフンドシ程度でげすな。
はっ!!も、もしかして兄貴はステテコパンツよりも赤フンのほうが好みでげすか?!
すすすみやせん!!気づかなかったとはいえ、アッシは兄貴に不快な思いをさせていたんでがすね!
これからはフンドシダンスに…!!!
ヤ、ヤンガスι 変な言い方しないでくれない?
ミーティア姫様に聞かれたら、僕の趣味を疑われるじゃないかι
あ〜あ、折角用意したのに、誰かさんがステテコパンツ被せちゃったから、調理しても(気分的に)もう食べられないわね。
誰かって…もとはと言えばゼシカが野菜に火をつけるからだろーが。
火をつけてって言われたからつけたのよ。
焼くんじゃなくて炒めて煮るの!!
あ〜、ゼシカの『美味しい』手料理が食えるようになるのは一体いつのことやら。
誰があんたなんかの為に手料理作ってやるもんですか!!
おーい、夕飯はまだなのか?
あっ!すみません、王様。
予定していた料理が用意できなくなってしまって…。
何と!ワシは空腹でもう死にそうじゃというのに。(ワガママ王)
それでは夕食はどうするのじゃ?
チーズ(※トーポ用)なら沢山ありますので、今夜はこれでお願いできませんか?
まあ、どのチーズも美味しそうですこと。ミーティアはチーズも大好きですわv
アッシは食べられるモンなら何でもいいでがす。
んじゃ、早速食べやしょうv
ねえっ!見て!!満月に照らされた窓枠の影がのびているわ!!
もしかして月影の窓!?
…おや、あなた達はいつぞやの。
(ハープをポロンと一弾き)
おお、そなたはイシュマウリではないか。
自らこちらの世界に現れるとはどうしたものじゃ。
…悲しげな声が聞こえた。
(またハープをポロンと一弾き)
声?そんな悲しい声なんて誰も出していないけど…。
…以前にも話したが、記憶が人だけのものとお思いになるな。全てのものが過ぎ行く日々を思っているのだ。 そしてこの痛ましい声もその記憶以外に他ならない。
…そう、これはおそらくそこに捨てられている残飯からのものであろう。
何も言わずとも良い。彼らに聞いてみよう。
(またまたハープをポロンと一弾き)
…ふむ。そうか。なるほど。
(さらにハープをポロンと一弾き)
…それで、その残飯達は何と…。
…折角美味しく育ったというのに、料理されぬまま残飯となって口惜しがっている。
異臭のする布をかけられた事にも酷く嘆いているようだ。
(しつこくハープをポロンと一弾き)
そ、そうでがしたか。 そりゃ、食べモン達に悪い事したでがす。
…って、異臭のする布ってまさかアッシのステテコパンツのことでがすか?!!
おいヤンガス!!やっぱり洗ってなかったんじゃねぇのか!!?
うええっっ!!!誰かエタノール持ってないか!!
ククール様の美しい手がバイ菌で汚されちまう!!!
ちょっとやだ!ククール!!その手を向けて私のほうに寄ってこないでよ!!!
だってゼシカ、さっき石鹸とか洗剤持ってただろ?!あれ貸してくれよ!!
あんたが取り上げたから私は持ってないわよ!!
どこやったのよ!全く!!!
…あのう、どうすれば野菜たちの悲しみが癒されるでしょうか。
…ならば野菜たちにたずねてみよう。
いえ、やっぱりいいです。(だって「食べてくれ」とか言われたら困るしι)
ククールに祈りでもささげてもらって丁寧に埋葬しておきます。
…そうか。ならば何も聞かぬことにしよう。
(くどいようだがハープをポロンと一弾き)
ぐわーっっ!!折角手を洗ってスッキリしたってのに、ハンカチかと思えばヤンガスの赤フンじゃねぇか!!!
僕のバンダナだって!!!
そうでがす!これからフンドシに生まれ変わるんでげす!!
それもいやだー!!!イシュマウリさん!!僕のバンダナが嫌がっているとヤンガスに言って聞かせて下さい!!!(必死)
(ハープをポロンと一弾き)
…君のバンダナはまんざらでもないようだ。
うそだ―――ッッ!!!!